2022.10.29 ニューファンドランド(続)

 ボナビスタまで遠征したので、あとはセントジョーンズ周辺の見学にしようっと。初日にタクシーの運転手さんがThe Roomsがいいよと言っていたので行ってみたら、立派な博物館・美術館・文化施設だった。博物館には化石、生物、民族(イヌイットとインディアン)、ヨーロッパからの入植、文化の共生などさまざまな展示があった。小学生が授業で見学に来ていたが、グループごとにスタッフの人がついて説明していた。

  (The Rooms)

 ニューファンドランドは何百年もタラ漁で栄えていたが、1992年に資源の枯渇によりタラが禁漁になってしまった。これにより3万人の失業者が生まれ、人口が流出したそうだ(一部は油田などで雇用)。

 (タラ漁の崩壊)

 隣町の「マニュエルス川解説センターManuels River Hibernia Interpretation Centre 」には三葉虫の化石の説明があるらしいので行ってみたが、閉まっていた。センターの名前にHiberniaという単語があり、意味がわからないので調べたが「冬眠」?「(ラテン語で)アイルランド」?Hibernia, Newfoundlandで検索したら、Hibernia油田というのがあったので、これのこと?

 

 展示施設から川沿いの遊歩道で海岸まで行けるので歩いてみた。センターのすぐ前が滝というか急流になっており、10分くらい歩くと流れが穏やかになりもうすぐ河口の感じ。水は透明だが茶色く色がついており、泥炭地を流れるタンニンの色だ。

 

 途中の遊歩道沿いに礫層が出ていたが、割れた断面を見ると厚い風化皮膜があり、何だかだいぶ古い時代の礫のようだ。河口は波の打ち上げで礫州ができていた。当然ながらここの礫は新鮮で風化皮膜はない。古い礫層は海成段丘礫かもしれない。

  (段丘礫:風化皮膜が厚い)

  (海浜礫)

 セントジョーンズの南のスピア岬Cape Spearsは北米最東端とのことなので行ってみたら灯台と要塞の跡があった。

 (北米最東端)

 翌日は天気がよかったのでもう一度シグナルヒルに寄ってから空港でレンタカーを返却した。

 

 (セントジョーンズからの距離)

 セントジョーンズからオタワやニューヨークまで約2000km、サンフランシスコまで5000km以上あるが、リスボンやロンドンは4000km以内でこっちの方が近い。コロンブスよりも前にバイキングが来ているので(北部のランス・オー・メドウ遺跡)、ヨーロッパ人の到来はこっちの方が先らしい。