2023.3.10  カンボジアの調査(2)

 調査の後半はN先生のお供で、遺跡の近くを流れるセン川という川沿いの地形と堆積物の調査をした。10年前と比べて道路も良くなったので、これまで行かれなかったところのサンプリングをした。

  (セン川の調査)

 3月は乾季なので川沿いの沖積低地の田んぼは刈り取りが終わった後だけれど、近年はポンプでセン川の水を汲み上げて、川沿いの田んぼに水を入れて乾季にもう一度稲作をしている。この20年ですっかり稲作も変わり機械化された。クボタの耕運機やハーベスターが動き回り、牛はたくさんいるけれど、もう牛で引く棃や牛車なんかいなくなった。車もピカピカでみんなスマホ使ってるし。

  (川を渡るクボタ)

 最初に来た頃が日本の昭和30年代とすると、もう昭和50年代ですっかり高度経済成長が進み、遺跡周辺の村もかなり立派な家が建ち並ぶようになり、屋根を葉っぱで葺いた家とかはなくなった。敷地は鉄条網で囲み、入り口は金網のフェンスである。以前は門のところに魔除けのカカシ(古着に詰め物をしたもの)がくくりつけてあったがそれもなくなった。ただし、門柱にヘルメットがかけてある家が時々ある。カンボジアのT先生に聞いたらコロナ除けとか言っていたので、カカシの代わりにヘルメットになったらしい。

  (門柱にヘルメット)

 ひさしぶりにサンボー小学校にも寄ってみた。遺跡調査を始めた日本の故K博士の友人達の基金で2005年に校舎が新築された。現在児童は200人以上、先生は9人いるそうだ。キリスト教NGOアメリカやUAEなどの援助で水道施設やトイレも増設され、教室には電灯と扇風機もあった。

 

 今回の調査にはサンボー村出身の大学生も参加している。頼もしいなあ。