2022.8.19 ベトナム巡幸(巡業)

 今回のベトナム訪問は、ベトナム考古学の大家のY先生ご一行様の巡幸について行く感じで、一行はハノイから南下してきたが、途中の中部のダナンから合流した。

 世界遺産の町ホイアンHoi Anから、同じく世界遺産のミソンMy Son遺跡を往復し、Y先生たちは遺跡や博物館のスタッフと再会を果たした。こちらも少しだけ砂丘や海岸の砂のサンプリングなどもした。

 (ホイアンの「日本橋」)

 (ミソン遺跡)

 (海浜砂も採取)

 

 ホーチミンへ移動し、メコンデルタのオケオOc Eo遺跡の調査を一緒にしている研究所で打ち合わせと遺跡調査のセミナー出席、博物館見学やデルタ地域の遺跡見学などなど、コロナによる空白を取り戻すべくいろいろ動き回った。

 ホーチミン市南端部のゾンカーヴォGiong Ca Vo遺跡は海岸部にあり、潮の具合で朝早く行かないといけないとのことで、朝6:30に出発し、途中で朝食を取って8:45に船着き場に着いた。遺跡はマングローブ林の中にあり、ボートに乗り換えて9時過ぎに遺跡に着くと、屋根がかけられてすごい数の甕棺が掘り出されており、人骨も残っている。発掘したそのままの状態で保存処理をして現地で展示をするそうだ。

 (ボートで遺跡へ)

 (甕棺の集団墓地)

 すごいすごいとみんなで興奮してみていたら、早く戻らないといけないといわれた。下船したところとは別の方向にマングローブ林の中を歩いていくと、すでに潮がかなり引いており、ボートとの間は泥の干潟になっている。ここから靴を脱いで裸足で行けと言われた。これがズブズブの底なし沼状態で、距離は10mかそこらだったが一同泥まみれ。船着き場から遺跡の現地事務所まで、泥だらけの集団がゾンビのように行進した。

  

 

ホーチミン特別市南部のカンゾーCan Gio地区は広大なマングローブ保護区があるが、ここはベトナム戦争アメリカ戦争)のときに枯葉剤散布で森が破壊された後、植林されたものだそうだ(「カンザー」よりも「カンゾー」の方が現地の発音に近い)。

 (マングローブ林)