2022.4.28 浪江~楢葉(いちえふ、にえふ)

 やはり福島は原子力災害があり岩手・宮城の震災とは大きく異なる。現在も帰還困難区域や立ち入り規制地域があり、(言い方は悪いが)ゴーストタウン状態のところがあちこちにある。

 福島第一原発は、双葉町大熊町にまたがっている。双葉町はまだほとんどが帰還困難区域だが、2020年秋に「福島県東日本大震災原子力災害伝承館」がオープンした。シアターではやはり原発の災害がメインだった。高校生の団体が次々と訪れ、ロビーは過密状態(いいのか?)。「語り部」さんがいて、展示されることのない「証言」を聞かせてもらった(高校生はプログラムにないので1対1)。語り部さんは全部で29名いるそうだ。伝承館では地理学専攻のSさんが学芸員をされていた。やることが山ほどあるようだ。

 (伝承館)

 

 「いちえふ」の周囲は中間貯蔵施設になっている。2015年から双葉町大熊町が県内の「除染土」などの受け入れをはじめ、30年以内に県外で「最終処分」するお約束だ。「最終処分」とは簡単に言えば埋立のことらしい。東京都の中央防波堤外側とかで受け入れるのか。

 (中央奥がいちえふ、手前が中間貯蔵場;google earthでも緑色にみえる)

 大熊町には環境省の「中間貯蔵工事情報センター」がある。

 (中間貯蔵工事情報センター)

 

 富岡町役場のとなりに「とみおかアーカイブミュージアム」があり、半分は郷土博物館、半分は東日本大震災の展示となっている。

 (とみおかアーカイブミュージアム

 富岡町楢葉町にまたがって福島第二原発があり、富岡町中心部の国道6号に面して、東京電力廃炉資料館(旧エネルギー館)がある。外観は結婚式場みたいで、「廃炉資料館」の看板とかもなく通り過ぎてしまいそうだった。コロナのため自由見学はできず、職員の案内による1時間のツアーだった(参加者1名)。シアターではお詫びと反省の言葉が聞かれたが、ALPS処理水(汚染水処理)の海洋放出の説明に力が入っていた。

 (東電廃炉資料館)

 富岡町内にはもう1箇所環境省の「特定廃棄物埋立情報館リプルン」というのがあったが、東電で1時間かかったのでこちらは10分しかとれず、超高速で案内してもらった。こちらは中間貯蔵ではなく、10万ベクレル/kg以下の廃棄物を埋め立てている。

 (実物大の埋立バッグ、奥がセメント固形化したもの)

 さくらモール富岡(ショッピングセンター)のイトーヨーカ堂は浪江のイオンと同じで、弁当、惣菜、酒、つまみが超充実しており作業服姿の人達で賑わっている。今夜も500円でおなかいっぱい。