2023.2.24 インドの世界遺産も

 これまでなかなか行かれなかったカルナタカ州のハンピとパッタダカルを訪問した。両方ともユネスコ世界文化遺産である。ハイデラバード(テランガナ州)からもベンガルールからも車で半日以上かかるため行きそびれていた。

 ベンガルールから3泊4日で両方の遺跡を見学するツアーに申し込んだ。今回も参加者1名のプライベートツアーだ。

 初日の昼過ぎにハンピの近くの宿につき、早速遺跡見学と思ったら、野生のクマの保護区でサファリツアーがパッケージになっていると言われ、喜んで参加した。花崗岩の残丘とブッシュの広がるところで、岩山の上の展望台から子連れのクマが2組見られた。他にもクジャクとかインドワシミミズクとかもいた。

  (野生のクマの保護区)

 (インドワシミミズク

 

 翌日は実は午前中オンライン会議があり、ハンピは午後の半日で早回り。世界遺産「ハンピの建造物群」は、14−16世紀のヒンドゥー王国のビジャヤナガルの都だったところで、イスラム王朝により滅ぼされた。王宮は木造だったため残っていないが、寺院は花崗岩の彫刻がすごい。

  

  (ハンピ)

 

 3日目はバダミという別の遺跡に行ったが、ここもすごい迫力で世界遺産になってないのが不思議なくらい(登録準備中)。こちらは花崗岩じゃなくて赤色砂岩の絶壁に石窟寺院や石造寺院が集まっている。デンバーで行ったレッドロックみたいなところだ。4−8世紀のチャールキヤ王国の都だったらしい。石窟寺院はシヴァ神を祀るのが1つとヴィシュヌ神を祀るのが2つとジャイナ教が1つ、岩山に取り囲まれた貯水池に面した石造寺院もタミルナドゥ州のマハバリプラムみたいな感じで素晴らしい。高校の歴史の先生をしている方がガイドをしてくださった。

  

  (バダミ)

 

 最終日にパッタダカルとアイホーレに行ったが、この日のガイドさんはすごく詳しく説明してくれて、カンボジア以来の疑問のいくつかがわかった気がした。彼によれば、例えばシヴァ神を祀る寺院は、ナンディン(聖なる牛)、門衛、ガンガー神とヤムナ神、リンガとヨニが全部そろっていないと意味がなくて、どれか欠けていると信仰の対象にならないそうだ(だから遺跡の寺院はみんなお参りしないのか)。

 世界遺産「パッタダカルの建造物群」は、ハンピと違い狭い範囲に寺院群が集中しているが、北インド様式と南インド様式と融合様式と、7−8世紀の寺院建築のショールームみたいなところだ。カンボジアのサンボープレイクックはどうもインドと違う感じがしていたけれど、いろんなパーツはインド直輸入だったんだなと思った。

  

  (パッタダカル)

 

 アイホーレも5-8世紀の寺院建築が集まっているところで、U字形の平面形のドゥルガ寺院は仏教建築の影響だそうだ。

 (ドゥルガ寺院、7-8世紀)

 

 これでインド国内の世界遺産計38箇所中17箇所訪問。インドは広い割に世界遺産が少ない。