2023.2.17 スリランカ中央高地

 スリランカの地質はほとんどが花崗岩や片麻岩などのようだが、中央部の高原地帯は堆積岩っぽくて厚い風化皮膜が発達している。地質の差なのか地形の差なのか不明。

 (St. Clair滝)

 中央高地の標高1000m以上の地域は茶畑が広がり、セイロン紅茶の産地である。紅茶工場でゴールデンチップ、白茶、緑茶、BOP(ブロークンオレンジペコ)をテイストさせてもらったが、BOP以外はお湯みたいで話にならない。狭山茶を飲ませてやりたい。

 

 世界遺産3日間ツアーに続き、中央高地のアダムスピーク(スリパダ、2243m)登頂ツアーも申し込んだ。何でアダムスピークかというと、山頂の岩に足跡のようなくぼみがあり、仏教徒仏陀の、ヒンドゥー教徒シヴァ神の、イスラム教徒はアダムの、キリスト教徒は聖トーマスの、それぞれ聖なる足跡(Sri Pada)とされているからだそうだ。

 コロンボから中央高地のヌワラエリヤまで行き1泊。翌日夜に登って山頂でご来光を拝んで下るというプランである。標高差約1000m、登山道というよりは巡礼地で階段を登るらしい。

 (ヌワラエリヤの郵便局)

 ちなみにスリランカの最高峰はアダムスピークではなくて、ヌワラエリヤの裏山のPidurutalagala山(2524m)で、ネットで山頂まで車で行けると書いてあったので、ガイドさんに頼んで行ってもらったが、山頂部は軍のレーダー基地でゲートがあり入っちゃだめと言われ、あえなく敗退(以前は入れたようだが現在はダメみたいだった)。

   (スリランカ最高峰はアンテナ林立)

 夜、スリパダ登山口のNallathanniyaまで行くと、ものすごい数のバスが集まっている。参道は両側にお土産屋さんがならびアメ横のようだが、学校が休暇中で人出は最高、夏休みの富士登山明治神宮の初詣をあわせたような状況だ。

 

 ガイドさんと合流して20時スタート。ここに来る人全員が狭い山頂をめざす訳なので、当然途中からどんどん渋滞がひどくなり、23時頃からもう動かなくなる。朝のラッシュ時の埼京線車内くらいの混雑(まわりはすべて人と接触している状態)で、立ったままほとんど進まない。おまけに皆マスクなんかしてない。東京でも雑踏が嫌で近寄らないようにしているのに、身動きのできない混雑で気が狂いそう。

   

 昨年(2022年)の韓国のソウル梨泰院での群集事故を思い出し恐怖を感じたが、スリランカの人は下りの人の通り道を1列分開けて、押さずにじっと待っている。インドだったら押し合いへし合いでたぶん将棋倒しになるだろう。

 夜中の2時50分、7合目位の茶屋にやっと入れたが、ガイドさんが茶屋の人にきくと、あと数時間動かないだろうという。どうしますかというのでもうこれ以上行かず引き返すことにした。残念だけれどこの混雑は耐えられない。ガイドさんもこんなに混むのははじめてという。

 (茶屋の前の渋滞)

 3時下山開始で登山口着が5時30分、まだ夜明け前なので、ここで日の出を待つことにした。山頂まで参道の照明が見え、山頂には大きな建物が見える。6時30分、山頂が朝日に照らされモルゲンロート、雲一つない快晴。あ~あ、残念でした。

 

 ネットでは12月から4月までが参拝シーズンで、シーズン後半は混雑するので12月がおすすめと書いてあった。ちなみにスリパダは世界自然遺産スリランカ中央高地」の一部なので、世界遺産は8箇所中6箇所制覇。

 (GPSのトラック)