2022.10.23 びっくりナイアガラの滝

 トロントはよく考えたら(考えなくても)オンタリオ湖岸なので、アムトラックで対岸を通ったので少し逆戻りした感じがする。しかし、ナイアガラの滝に行ったことがなかったのでトロントからの日帰りツアーに参加した。

 英連邦だけあって、ナイアガラに向かう高速道路は「エリザベス女王道路」、速度表示はkm、気温は摂氏だが、さすがに道路は右側通行。途中オンタリオ湖西端のハミルトンという製鉄の町を通過し、オンタリオ湖南側に来るとブドウ畑が続き、ワインの産地になっていた。カナダ産ワインなんて知らなかった~。

 (ハミルトンの製鉄所)

 (ブドウ畑の後ろに低い丘が続く)

 五大湖のうち、エリー湖オンタリオ湖の間の米加国境のナイアガラ川は約50kmで標高差が約100mあり、途中がナイアガラの滝になっている。当然船は通れないのでカナダ側に運河がつくられ、閘門が8つもある。1箇所あたり10m以上水位を調節するのか。

 (ウエランド運河第1閘門)

 ナイアガラの滝はなぜそこにあるのか、足りない知恵を絞って考えると、エリー湖オンタリオ湖の間に高さ100mくらいの「崖」が続いており、ローレンタイド氷床が解けてからこの崖のところを水が流れて滝になった。

 じゃあ何で崖があったの?アメリカ地質調査所(USGS)の地質図を見たら、Niagara Escarpmentと書いてあった。ケスタ地形の階段状の崖らしい。で、もとからあったケスタの崖線の位置から現在のナイアガラの滝の位置まで約10km滝が後退し、狭い峡谷になっている、という訳か。ブドウ畑のはるか南方に見えた丘は、モレーンじゃなくてケスタの崖だったのか。何だかようやくわかってきたぞ。

 滝の下流の峡谷の部分には、アメリカ側とカナダ側両側に巨大なダムと水力発電所がある。ダムの背後は貯水池で、ナイアガラの滝の上流に水門があり、そこから導水しているらしい。おまけに昼は観光用に威勢よくナイアガラの滝に水を流し、夜はダムの方に導水して滝の水量を減らすという芸の細かいことをしているらしい。このため、1万年で10km滝が後退したので、後退速度は1年に1mだけど、発電所ができてからは年に数cmくらいに低下しているそうだ。

  (峡谷の両側は発電所

 ツアーは滝壺のそばまで行く観光船(20分間)もセットになっており、みんな赤いビニールポンチョをかぶって乗船する。いやはやすごい迫力でおもしろかった。

 

 ネットで見るナイアガラの滝の写真はどれも迫力があるけれど、後ろを振り向くとこうなっている。

 

 というわけで、現地に行ったおかげでいろいろと勉強することができました!