2022.9.15 ポルトガルの学会とジオパーク巡検

 コインブラでの学会の会場は中庭を囲んで回廊がポスター会場で、口頭発表の会場は1~3階の3フロアでわかりやすかった。参加者はコロナの影響で中国の人は来られず、アジア・アフリカ系はものすごく少なかった。日本からも7~8人位。コンビーナーをやった会場は6人発表のところ2人しか来なかった。

 今回は参加費に昼食とコーヒーブレイクが含まれており、昼食はスープ、パン、サラダ、メイン(2種)、デザート、ワインもある。コーヒーブレイクでは各種ポルトガルスイーツとフルーツ食べ放題?だがコーヒーがエスプレッソでミルクなし。スイーツ各種はほぼ制覇したかな。

  (ランチタイム、デザートも充実)

 

 学会の中日は日帰り巡検の日で、いくつかコースがあったが、「アロウカAroucaジオパークユネスコ世界ジオパーク)」というのがあったので参加した。

 アロウカはコインブラから北へ100km位で、地質は古生代の堆積岩と花崗岩類からなる。巨大三葉虫化石産地や花崗岩の風化によるボルンハルトや峡谷の地形などがジオサイトになっている。

  (花崗岩のトア)

 あいにくの雨で何カ所かあった展望ストップはあまりよく見えなかったが、名物の長さ516mの吊り橋では雨が上がった。長さは世界一ではないが河床からの高さ(170m)は世界一とのこと。

 昼食は「ジオフード」で、地元産の野菜のサンドイッチと地元産のパッションフルーツレモネードと地元産のリンゴや梨をいただいた。

 午後は展望ストップの代わりに、アロウカの町なかの拠点施設でビデオを見て、ジオパークグッズの三葉虫マグネットとかガイドブックを購入、修道院の向かいのお菓子屋さんでお土産のお菓子(ジオパーク認証)も購入(帰国後食べたがおいしかった)。

 (ジオパーク拠点施設)

 ポルトガルEUの中で紙の生産がトップだそうで、原料のユーカリ植林が至る所を覆っていた。オーストラリアからの参加者がユーカリ林の匂い(ヒノキに似ている)を嗅いで「なつかしい(home)!」と言っていたが、脂分が多く燃えやすいため、熱波であちこちで森林火災も発生している。

 (コアラはいないよ)

 もとは地中海の常緑広葉樹(硬葉樹)林でコルク樫とかトキワ樫とかの森だったはずだが、谷沿いにわずかに残っている位だ。この樫のどんぐりで育てた豚がハモンイベリコ(ナッツの香りのする生ハム)になるのか!

 (本来の植生)

 

 巡検の翌日が発表で、自分が発表した会場は知っている人は誰もいなくてむちゃくちゃ熱心に議論しておりどうしようと思ったが、幸いボスみたいな先生が質問してくれて何とか答えることができた。

 自分の発表が終わった後コーヒーブレイクで急いでおやつを食べてから、残念ながら業務のため一足先にリスボンに戻り、翌朝の早朝の便で一時帰国した。

 ポルトガル滞在中は低気圧の直撃で連日雨模様で少々残念だったが、行きも帰りも虹が出ていた。