2022.9.9 サンアンドレアス断層巡検

 サンフランシスコにはサンアンドレアス断層という活断層が通っており、1906年のサンフランシスコ大地震、1989年のロマプリータ地震などを引き起こした。UCバークレー校のキャンパスの中にも、サンアンドレアス断層の支脈のヘイワード断層という活断層が通っている。

 USGSアメリカ地質調査所)やUCバークレー校のウエブサイトに巡検ガイドがあり(Stoffer 2006; Rademacher 2017)、まずはキャンパス内の活断層を見に行った。

 ゴールドラッシュで栄えた旧鉱山学部の建物は1907年完成の歴史的建造物だが、1998~2003年にかけて耐震改修された。レンガ造りのロビーは鉄筋で補強され、基礎部分にはゴムのダンパーが入っているそうだ。

 

 鉱山学部なので訓練用に掘られた坑道もある。

 アメリカンフットボールの試合が行われる「カリフォルニア記念スタジアム」は1923年に完成したが、中央をヘイワード断層が横切っている。2010~12年に全面改修され、断層をまたぐ部分は伸縮性を持たせている。だが、ヘイワード断層はふだんから少しずつずるずるすべっている断層(クリープ断層)で、ひび割れや外壁のずれを見ることができる。

 (チーム名はゴールデンベアーズ)

  (外壁の隙間)

 キャンパスの南側の道路も坂の上にひび割れや横ずれが見られ、そこから金門橋がよく見えた。

 

 

 翌日は活断層の専門家で訪米中のO先生がご家族や研究仲間の友人と一緒にサンアンドレアス断層を案内してくださった。

 ワイナリーの建物がクリープ断層でずれていたり、横の水路が右横ずれしていた。熊本地震の時のずれは地震の時に動いたのだけれど、こちらは年に1cm位の割合でずれているそうだ。

  (水路が右横ずれ)

 サンホアンバティスタという小さな町の教会は高さ15m位の崖の上にある。この崖はサンアンドレアス断層がつくった崖だそうで、ほかはだいたい右横ずれなのだが、この部分だけ垂直ずれしている(地質や岩層の影響なんだろう)。

 (教会の横の崖)

 そのあとヘイワード断層のクリープを何か所かで見た。

 (使っていない線路が曲がっていた;フェンスがあって入れなかったがあとでドローンで確認)

  (旧ヘイワード市役所)

 

 巡検終了後、O先生友人ご夫妻にメキシコ料理レストランでおいしいタコスをごちそうになって解散した。O先生はじめ、皆様ありがとうございました(しかし、アメリカ人同士の会話は全く聞き取れず、とほほ・・・)。