ザルツブルクから列車を乗り継いでブリュッセルに帰るつもりだったが、ウイーンまで行きたくなって帰りは飛行機の便を予約した。ウイーン1泊24時間1本勝負。
しかし途中のリンツにも寄りたくなって、リンツで途中下車してからウイーンに行くことにした。リンツはドナウ川のほとりにあり、旧市街まではトラムで4駅くらい。ドナウ川は堂々たる大河で、スイス船籍のクルーズ船が停泊していた。ドナウ川のほとりには美術館やコンサートホール(ブルックナーハウス)もある。
(河畔にブルックナーハウス)
ウイーンに着いて駅で観光地図をもらったら、毎年ニューイヤーコンサートをやっているウイーン楽友協会大ホールでコンサート、というのがあったので予約した。モーツァルトの有名な曲を、モーツァルトの時代の服装で演奏するというちょっとなんちゃってなコンサートだが、シーズン中は毎日やっているというからえらい。
(ウイーン中央駅)
(左:国立歌劇場、右:公園のヨハンシュトラウス像)
楽友協会大ホールというのは金ぴかのすごいホールで、お客さんは入った途端みんなスマホで自撮り。しかし音響はすごい。こんなの聞いたことない(当たり前だ)。ホールも楽器なんだな。モーツァルトの名曲コンサートだったが、最後はアンコールでヨハンシュトラウスの「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」(手拍子するやつ)、とニューイヤーコンサートの定番大サービスだった。
(楽友協会黄金ホール)
翌日は何とか大聖堂とか何とか宮殿とかはパスして、ドナウ川遊覧船(2時間)に直行。ウイーンの中心部を流れるのはドナウ運河で、東側にドナウ川本川がある。遊覧船は中心部のシュウェーデンプラッツからドナウ運河を下り、ドナウ川に合流。周辺は漁業地帯で、四つ手網でコイやナマズやスズキやマスなどがとれるそうだ。
(左:ドナウ運河の遊覧船乗り場、右:ドナウ運河と本川の合流点)
ドナウ川本川を遡るとすぐに水力発電用の堰がある。船は閘門を通過するが、これが非常におもしろくて、閘門で水位を7m位上げて通過する。ウイーン水上警察のボートもいっしょに通過した(閘門は東京の荒川にもある)。
(閘門に進入)
(下流側のゲートを閉める)
(水位上昇中、水上警察のボートは渦に巻き込まれないように壁の杭にロープでしがみついている)
(水位上昇後、上流側のゲートオープン)
現在のウイーンのドナウ川はダム湖なので濁っており、ドナウ運河もきれいとはいえない。国際河川ドナウ川のダムに関しては、スロバキアとハンガリーの間で開発か環境保護かで国際紛争になったこともある。
(ドナウ本川、左側がウイーン市街地)
ドナウ本川の中央には中州状のドナウ島が約20kmに渡って続き、東側は放水路の「新ドナウ川」で、ドナウ本川とは水門で区切られている。さらに東側には蛇行跡の三日月湖となった「旧ドナウ川」がある。
新ドナウ川と旧ドナウ川の間にはドナウ公園や国連(IAEAなど)の建物がある。ドナウ公園のタワーからは、ドナウ本川と新旧ドナウ川がよく見えた。
(ドナウタワーより下流側:右からドナウ本川、ドナウ島、新ドナウ川、国連などのあるエリア、左上が旧ドナウ川)
旧河道部分の「旧ドナウ川」は青く澄んでおり、文字通り「美しく青きドナウ」だった。
(ALTE DONAU)