2022.8.6 「アルプスの鉱石」ジオパーク

 スイスからオーストリアザルツブルクに移動。ザルツブルクは昔来たことあったけど、今回は近郊のジオパークに行く計画にした。

 途中乗り換えのウイーン経由ブダペスト行きオーストリア国鉄OBB(Oはウムラウトがつく)のRAILJETはほぼ満席だったが、何とか空いた席に座れた。

 (OBB RAILJET)

 ザルツブルク中央駅構内はモダンな造りで都会的だ。駅の観光案内所に行き「ジオパークの情報が欲しい」と言ったら、窓口の人は「ジオパークってショッピングセンターのことか」と言う(それは空港の近くのユーロパーク!)。「そうじゃなくて、地形や地質の公園で、ユネスコ世界ジオパークザルツブルクにあるんです」とこちらが説明して、案内所のネットで検索させたら「あったあった」。「何が知りたいの」というので、最寄り駅を教えてもらい、あとは「宿のWiFiで調べます」。

   (ザルツブルク中央駅)

 翌朝、ザルツブルク中央駅から最寄り駅のビショフスホーフェンBishofshofenまでは急行で45分くらいで、途中両側にアルプスの険しい山が迫り、狭い峡谷となっている。雨のせいで茶色く濁った水が怒濤のように流れている。何かスイスとちがうな。

 土曜日だったのでビショフスホーフェンの観光案内所は閉まっていた(こういうところが日本とちがう。スーパーも日曜は休み)。案内所の廊下にあった観光パンフレットをもらって、地図を見ながら15分くらい歩くとジオパークの博物館に着いた。

 

 Erz der Alpen(アルプスの鉱石)というユネスコ世界ジオパークで、この地域では古くから金銀銅などが採掘されていたそうで、地質・鉱物と鉱山の歴史の展示があった。

 感心したのは、ドイツ語と英語版の地質図を印刷して配っていたのと、「エコロジカルフットプリント」という環境への負荷を国別に実際の靴のサイズで較べた展示や、周辺で見られる木の種類の展示とか地元の小学生の見学のパネルなどもあり、ジオパークらしいなと思った。

 (左は氷河時代の様子、右は周辺の地質図)

  (一人あたりエコロジカルフットプリント、日本は左から5番目)

 博物館のある場所はスキーのジャンプ会場で有名らしい。裏山には高さ50m位の滝があってハイキングコースになっていた。 

 (右側に階段がある)

 ほかにも3箇所くらいジオパークの見学エリアがあり、公共交通で行かれるところを聞いたところ、Bishofshofen駅からヒュッタウHuttau(uにウムラウト)というところにバスで行けると言われた。ただしバスの時刻表がわからないので駅で聞けと言われた。駅に戻ると週末はバスの本数が少なく1日3本だけだったが13:12発のバスがありセーフ。

 ヒュッタウでは昔の銅鉱山跡の見学ツアーがあり、ちょうどポーランド人とイギリス人?の家族といっしょだったので英語で説明してもらえた。入口でヘルメットをかぶってガイドさんの案内で歩いて見学する手作り感満載のツアーで、「アルプスの鉱石」にふさわしい見学場所だった。

  (鉱山跡見学ツアー)

 日本では昔トンネンル工事は女人禁制だったが、こちらも同じで、坑内に聖バルバラという鉱山の守護聖人(聖女)の像がまつられていた。

 バス停前に博物館があるのだが、当日はなぜか閉館、カフェで時間をつぶして最終バスでビショフスホーフェン駅に戻り、ザルツブルクまで戻った。 

 ザルツブルクはその名の通り岩塩採掘で栄えたところで、オーストリアは鉱業が盛んな国なのでした。